■ 手ぬぐい
室町時代末期に中国大陸より綿種が渡来して、江戸時代には、木綿が庶民の衣料材料として麻にとって代わります。
江戸幕府も農民の着物は「布木綿たるべし」と通達すると、畑だけでなく田にも綿を栽培する者が急増し、木綿の生産が普及されるようになります。
この木綿さらしの布に驚くほど粋で、いなせな江戸のデザインが吹きこまれていきます。
木綿てぬぐいも時代の推移とともに、冠(かむ)りから、被りへ、そして日常的な生活用具として実用とお洒落を兼ねたものとなっていきます。
江戸中期には、若い娘たちにとって五尺てぬぐいはあこがれであり、若い衆から贈られる五尺てぬぐいは求婚を意味し、受け取れば婚約成立にもなったそうです。
宣伝用に手ぬぐ
いを配る風習の始まりは、江戸時代中期。歌舞伎役者が、襲名のお披露目や舞台の出演挨拶として、ごひいき筋に配ったのが始まりだそうです。その風習が現在でも続いているわけです。
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